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私たちについて
「伝統とは、時代と変化をともにし、つながるものである」
木祖村の立地を最大限に活かし、米の旨みたっぷりのふくよかな味わいと
ピュアで軽快な余韻を感じられる日本酒を醸しています
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酒蔵としての歴史
湯川酒造店の創業は、江戸時代の初期にあたる1650(慶安3)年。長野県内で2番目に古い歴史を持ちます。木曽谷では良質な木材を年貢として納める替わりに、米を得てきました。その米で2代目九郎右衛門が酒造りを始めたのです。
湯川酒造店のある木曽路・薮原宿は、山仕事に就く日雇いの職人が各地から集まり、また鳥居峠の難所をひかえた宿場であり、飛騨街道への分岐点にあたることから旅人も多く、たくさんの旅籠(はたご)がありました。
木曽十一宿のなかで御本陣は最大規模を誇り、大名の宿泊が多く、脇本陣と問屋場2軒も置かれました。宿場でのお酒の需要は多く、酒造は盛んで、1869(明治2)年の資料には、湯川家のほかに2軒の蔵元の名があります。
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先人たちのこと
代々湯川家は宿役人を務めるかたわら、酒造りを生業としてきました。米の価格を決め、先物取引を行う米相場と関わり、9代目は高遠藩から扶持(ふち)米を賜り、11代目は尾張藩から名字の公称と帯刀を許されました(それ以前の資料には屋号の「中町」、古くは「山形屋」と記されます)。
13代目の寛夫は短歌に精通し、敷地内にあった「枕流館(ちんりゅうかん)」にはアララギ派の歌人たちが集い、酒を酌み交しながら歌を詠んだといいます。文化人として幅広い交流をもつ一方で、村長として村内の観光やインフラ整備にも尽力し、終戦前後の苦しい時期を乗り切った人でもあります。
14代目の須磨夫は「木曽路」を商標登録し、先代の寛史は法人化して「木曽路」の販路を全国に広げ、さらに新銘柄として「十五代九郎右衛門」を立ち上げました。
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十六代九郎右衛門として
2011年、先代の急逝に伴って長女の尚子が16代目となりました。そして夫の慎一が杜氏を務めています。「十六代九郎右衛門」とは、蔵元杜氏である自分たち自身のことであり、私たちが手がける銘柄です。
十六代九郎右衛門が「IWC2023」でチャンピオン・サケを受賞して、その真価を世界から問われた時、私たちの酒造りには、木祖村というこの地ならではの自然条件、薮原宿ならではの歴史や文化、こうした気候風土すべてが関わることを再認識しました。
先人たちが時代ごとに変わり続けてきたからこそ、16代にもわたって家業は存続してきました。私たちも時代に合わせて変化をしながら、自分たちがすべきことを成し、次代に続く今この時を刻んでいきます。
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社員とともに醸す
技術者だけが酒を造るのではありません。充填作業・ラベル貼り・出荷・営業・事務など、湯川酒造店のあらゆる業務が「酒造り」であると考えます。
すべてはお客さまに満足度の高い商品をお届けするための大切な仕事です。そして、社員ひとりひとりが「酒造り」に携わっているという意識を持ち、日々の業務に真剣に、かつ楽しく向き合っています。
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